2011/04/25(月)まどマギ最終話視聴後に色々考えた事 その2

2011/04/25 21:59 感想kameniwa
まどマギ最終話視聴後に色々考えた事 その2


まどマギラストは考えるほどに、綺麗に終わったように見せかけて全然そんな事ないんだよ。無慈悲で残酷なシステムにパッチあてて、暴力的に残酷なシステムにしました。そしてその残滓として死ぬまで一人きりで戦い続ける少女が残りました。おしまい。いやまてよなんだそれ。

「家畜に神は居ない」ならぬ「この世に神は居ない」的な。魔法少女にも人類にもQBにも、等しくご都合主義の存在しない世界。

魔法少女はいずれ魔女になる世界では、その元凶たるQBをどうにかすれば、って希望もあったけど、魔法少女はいずれ消滅する世界では、消滅させている元凶が魔法少女達の幸せを願った魔法少女であり、例えそれを打ち倒してもより酷くなるよ!っておい、絶望二段構えかよどうすんだこれ。

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少女の魂に手を加えて利用できるようにしたシステムのはずが、そのシステムを乗り越えてシステムごと破滅するエネルギーを生み出しました、って、希望絶望相転移エネルギーってQBにも手に負えないんじゃないか?

2011/04/24(日)まどマギ最終話視聴後に色々考えた事

2011/04/24 13:16 感想kameniwa
まどマギ最終話視聴後に色々考えた事


※一文ごとに1ツイートのつもりで書いてます
※ネタバレ全開

物語として見れば、他に何か手は無かったのかとも思わなくも無いが、まどかから見れば、あれが最善の祈りだったんだろうな。何よりもまどかは、魔法少女が大好きだったんだろう。

まどかは結構容赦ないな。憎しみも悲しみも否定しないし、祈りの対価も否定しない。ただ最後に救いに来ることで、決められた絶望だけは否定する。本当にただその一点だけ。魔女化が無くても嘆きながら死ぬ少女は居るだろうし、でもそれはその少女の責任。

まどかは魔法少女を否定したかったわけじゃ無い。魔女になるのが許せなかっただけ。って考えると案外ちっちぇなあって気分にもなったが、少女の夢と希望の象徴としての魔法少女を大切にしたかったんだとすれば。

魔法少女を否定しちゃったら「魔法少女まどか☆マギカ」じゃなくなっちゃうしな。

3話でマミさんに語った「魔法少女になれたらそれで願いは叶っちゃうんです」って言葉を、因果律を超えてでも貫き通した結果があれか。魔女だけは否定する。だが、希望も絶望も、祈りも死も、他の何も否定しない。

絶望がルールとして決められている事が納得いかなかっただけで、それぞれが勝手に絶望する事自体は特に止めない。

ハッピーエンドだったのか?と言われると、Godや阿弥陀様の概念の無い世界よりは、ある世界の方が良い。としか言えない。神や仏が居ても、世界は何も変わらないんだけれど。

なんでほむら☆マギカじゃないのかって、主人公はほむらかもしれないけど、同時にほむらは語り部で、その語り部がまどかの事を話しているから、魔法少女まどか☆マギカだったのかな。

歴代魔法少女達を救うまどかのシーン、話の流れから対ワルプル戦途中の、新世界創造前に挟まれて出てきてるけど、実際の所あれって新世界での魔法少女の死に様を描いてるんだろうな。円の理で魔女にはならない。だが消滅する。現実は非情である。

あ、そうか、杏子の家族って新世界でもやっぱり一家心中なのか…杏子の境遇って新世界だろうが旧世界だろうがほとんど何も変わらないんじゃ無いか。

何が救われた?って、実は何も救われてないじゃねーか。ただ、まどかの祈りは確かに叶っている。

世界を救ったように見せかけてその実何も救っちゃいない。魔女は生まれなくなった。ただそれだけ。それ以外は全くもって元のまま。

チート原子ウランを生み出したのも魔法少女の祈りだとしたら色々きつい。

魔法少女を全否定すると、祈りも絶望もない世界になって、それってもはや人間じゃ無いんじゃ無いのという状態になる。

「魔法少女の祈りの力がなくなったら文明が発展しない」云々っていうのは、物語の構造に対する考察としては必要かもしれないけど、まどかの意志決定には何の関係もなさそう。彼女はただ、少女達を守りたかった。彼女にとってはそれで充分だったんだろう。

まどか神の能力は、グレートヒェンさんの効果範囲が"対魔法少女"に限定されただけで、やってる事はほとんど変わらん(死にかけ魔法少女を吸い上げる)ってのがまた、なんというか。別にまどかが魔女化しても良かったんじゃ無いの?って気にならなくも無い。

「みんな生き返ってハッピーエンドで良いじゃん!」「それってグレートヒェンさんの作る天国だと思うよ。」 / 容赦なく何もかも救うって、全部否定するのと同じだものな。あらゆるものが無意味になるその世界、それは本当に救いですか?

演出に騙されてたけどグレートヒェンさんにくらべればまどか神のやってる事ってすごくちっちぇえな。

まどか神は対価払ってない。やり逃げ。バグを突いてチートクリア的な。でもその分、まっとうなルールに従って力を得たグレートヒェンさんにくらべると効果範囲が恐ろしく小さい。

まどか神が対価払ってないと言うより、まだ願いが叶ってないから対価払うタイミングが無いって方が正解かなあ。時間軸超越したから魔法少女とともに全時代に偏在、故に終わりが無く、終わりとともに支払う対価も無い。というか、「人でなくなって偏在せざるを得ない」対価と共にある。

「この世界の美しさに感嘆し、不条理に絶望するたび、私はまどかを、ほむらを、魔法少女を思い出すだろう。」

「この法則もまた、まどかのように概念化する事を選択した魔法少女そのものなのかもしれない。」

初見終わった瞬間は確かに「暖かく幸せな気持ちで一杯に」なった。なったんだよ。でもその後に考えれば考えるほど、「まだ考えるべき事があるんじゃ無いか」という気がして仕方ない。

「魔女が生まれない世界」の対価が「概念化」って、対価としては大きすぎる。決められた絶望は無くなったけど、不確定な絶望が無くなるわけじゃない。確かに願いは叶ったけど、本当にそこまでの対価が必要だったのか?と。

神まどかも大概、QBなみに無慈悲だ。魔法少女として生きろ、そして死ね、って部分は何も変えなかったから。あえてそうしたのか、そこまでしか出来なかったのかはわからないけど、覆しようのない仕組みとしての暴力的な理不尽さ、みたいなのはQBとあんまり変わらない。

新世界には祈りも希望もある。魔法も奇跡もある。そして代償ももちろんある。ソウルジェム化と、戦う運命と、そして消滅死。

新世界を作る=グレートヒェン 世界の仕組みを変える=神まどか